IFS内的家族システム

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私たちすべての人にある内的家族システム


IFSとは
内的家族システム療法(Internal Family Systems)の略
アメリカの家族療法士リチャード・シュワルツ博士が開発した心理療法をいいます。
40年以上の歴史を持つトラウマ治療を得意とする画期的な心理療法。

私がこのセラピーをおすすめする理由は、とても優しさに満ちたあたたかい療法ということです。
どんな自分のパーツがいたとしてもそれを歓迎するという姿勢でセラピーを進めていきます。

「あなたは強迫性障害がありますね」とか「愛着障害ですね」などの診断的な見方はしません。
いま、どんなパーツがどんな言葉を持っているのか?
どんなお仕事をしているのか?
こんな風に役割を知りパーツひとりひとりにアプローチしていきます。


IFSの特徴

①自分の中には副人格(たくさんのパーツ)がいて、その集合体でできている

②システム思考を取り入れている

③大いなる自己=セルフ 繋がり、勇気、思いやり、気づきの意識が全員にあり、マインドフルネスな視点が癒しのリソースになっている。

3つの代表的なパーツ

①追放者(Exiles)というパーツ


 過去に取り残されている自分


過去に受けた心の傷をそのままにしていると
その時の感情や思いを引き受けるパーツができます。
例)
親に十分愛されなかった
寂しい子供時代を送ってきた
誰にも甘えられなかった
子供のころから我慢することが多かった
否定されることが多かった

このパーツはトラウマや愛着不全の状態のまま保存され
たくさんの悲しみ、怒り、恥などの感情を抱えています。
ケアして欲しい、愛が欲しい、このようにいつも愛を求めています。


②管理者(Managers)というパーツ


 日常を安全に過ごせるために働くパーツ

日常生活をきちんと送れるように管理者というパーツが働いています。
基本的に自分がまた同じ体験(嫌な思い、悲しみ、孤独)をしないようにしっかりと計画を立てたり、追放者や他のパーツを守るために必死に働きます。(完璧主義)
ネガティブな感情を抑圧し感じないよう先回りして危険を回避します。
計画、分析が得意。常に思考を働かせ指示をしたりします。
周りとうまくやるために社交的になったり、自分に厳しいジャッジをしたり、自分を否定的に捉えたりするのも管理者の仕事です。
つまり、管理者が傷ついた自分をこの世界から追放する形をとりながら守ってくれています。

また、強迫観念やパニック発作、ひきこもり、鬱、無力感を引き起こしているのは全て自分を守るための管理者の戦略のひとつでもあります。
この症状を起こしていればこれ以上、自分が傷つくことがありません。



③消防団(Firefighters)というパーツ


 追放者や他のパーツの感情的な痛み(火)を消すために働くパーツ


追放者が心の痛みを感じないようにするために、その場しのぎの対応をします。
嫌な気持ちを一時的に忘れるように、気持ちをそらしたり、感情を麻痺させたり。
いつも、怖いと感じていたら日常を送れませんし
猛烈な怒りや、悲しみを抱えたままでは職場や家庭でうまくやれません。
この「怖い」「怒り」「悲しみ」が火です。
ですので消防士が水を撒いて火を消してくれるのです。
その水に当たるのが依存行為や麻痺させる行為になります。
一時的にネガティブな感情を感じないように追放者や他のパーツを守ったりしています。
怒りを衝動的に抑えたりします。
管理者のパーツも仕事をし過ぎて疲れてしまうと、この消防士パーツが出てきて依存行為をしたりします。


例)食べる、アルコール、薬物、ゲーム、スマホ、買い物、性行為の依存。
自傷行為、睡眠、運動や仕事のやりすぎ。アイドルや宗教へののめり込みなど。

そのほかにもたくさんのパーツが存在します。
〇不安パーツ
〇悲観パーツ
〇ご機嫌をとるパーツ
〇世話焼きパーツ

セルフという大いなる私

セルフとはパーツではない、気づきのエネルギー。
マインドフルな意識で全体を見ることができ、私たち全員が持っているエネルギーです。
誰の中にも、勇気や人のつながり、いたわりや創造性をもった自分がいます。
パーツ心理学ではそのような自分ををセルフと呼んでいます。
このセルフのサポートによって、パーツたちの癒しやつながりが自然に起きていきます。

IFS 優しくてパワフルなセラピー

管理者や消防士の役目を知ったり、その仕事を始めたきっかけを知ることはとても重要です。
彼らは自分の戦略を正しいと信じていますので、カウンセリングやセラピーを行うと自分の仕事を妨害されたと感じひどく抵抗をします。
まずは、彼らと対話しながら理解を深めていきます。
そして、このパーツシステムを理解することで、内側に存在するどんなパーツも排除することなく受け入れることができるようになっていきます。

「不安で人の目が気になってしかたない」こんな自分が嫌いだ。
今まではこのように思ってたとしても、パーツを理解することで
不安を感じているパーツが自分の中にいるんだ・・・
パーツの声をもっと聴いてみよう~このように変化していきます。

人の目を気にしながら、一体何から自分を守ろうとしているんだろう?(好奇心)
私のことをを守る役割をしてくれているんだね。(理解)
こんなにいつも必死にがんばってくれていたんだ・・・(感謝)

「みんなの前であなたが恥をかかないように見守っていたんだよ~」
パーツからの返事をもらったり。
「だって前に失敗してすごく傷ついたでしょう?それを味わせたくなかったんだよ」
このような本心を聞くことができたりします。

そうだったんだ・・・
だから引きこもりをさせてくれていたんだね?
私がもう二度と傷つかないように・・・

こんな風に理解や歩み寄りができるようになって、お互いの距離が近くなっていき
セルフの力も借りながら、気づきのマインドを習得していきます。

このIFSの良いところは、クライアントさんがシステム的に苦しみの中身が整理できるので、腑に落ち感が大きいという点です。
パニックで自分を見失っていたり、怒りや悲しみ状態の時は、苦しい思考で自分がもみくちゃになってしまいます。
このパーツセラピーはシステムの理解と共に、パーツという客観的な視点ができるようになります。
一歩外に出ることだけでも、苦しみは軽減できます。
底なし沼で無力のままおぼれている状態から、抜け出せるのは私たちにとって大きな助けになります。
セラピストと共にクライアントさん自身も、このパーツとしての見方を取り入れることにより、格段にセラピーの効果が高くなっていきます。





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